ヨコハマSASユニバーサルデザイン研究室
鈴木 佐知子
かつて私が横浜国立大学大学院に籍を置いていたときに作成したジュニア向けの環境デザイン教育の研究誌から、新たにチャイルド向けの学びの内容と方法を考案します。幼・小児の発達段階をふまえた教材を、今後このコラムで紹介します。なお、アートの体験や製作も料理のレシピになぞらえて以後「アートレシピ」と言います。お子様たちが環境や空間にどのように反応するか楽しみです。
アートレシピ(環境と空間)編
建築物のつくりや仕組みは、人の体と似ているところがあります。体を建築物に見立て、体験的に類似点を、探してみましょう。お子様が環境構造物に興味をいだき、親しみをもって接することが出来るでしょう。数名のお友達と行なうのが理想的な課題です。
No.4 テーマ 私の体は建築物(人体ブリッジ)
Ⅰ 材料や道具・準備
1.準備する物:身近な建物(その他ドームや橋)などの写真を用意します。メモ用紙やサインペンなどの文具を置きます。
2.安全のため活動場所の環境を整えます。
Ⅱ 取り組み方
1.お子様が見やすい所に、文具を置き、資料をはります。準備3分
2.何をするのかを、お話しします。 例のドームやブリッジの図をしめして、お友達とその形を作ってみましょう。
広い場所が必要ならば、家の外でもおこなえます。お子様と相談して、お庭や校庭に一緒に出掛けましょう。(協力的課題)15分
3.例:一人で行なうポーズです。、両腕で重い本などを持ち、立ち上がります。両手を伸ばし頭のうえで、本をささえます。 (体験的課題)5分
4.ドームやブリッジの形を作りましたが、今度は自分たちで体を組み合わせて、新しい形や楽しい建物を作ってみましょう。(発展的課題10分)
5.お子様にたずねましょう。体が痛くなったところがありますか?どこが痛くなったかを、覚えておきましょう。お友達と相談したり、発表してもいいですね。(文字を書けるお子様には、メモを進めます。(構造物の仕組み:考える力と発表力10分)
6.ねぎらいの言葉をかけましょう。「体をそらせたり、重いものをもって少し大変だったですけれど、よくできましたね。」(体験的評価5分)
7.振り返りをしましょう。一人でできる形。みんなでできる形。ほかにお家や学校の形は出来るかな?工夫しお子様から聞き、肯定的な言葉をかけたり、努力を認める言葉を投げかけたりしましょう。(お子様にわかる評価)5分
8.片付けをお子様と共に行いましょう。(片付けと掃除)5分
鈴木佐知子
1993年、横浜国立大学大学院教育学部美術教育学科修士課程修了
1999年、東京学芸大学大学院連合学校教育学部芸術学科博士課程修了
神奈川県展協会賞、和歌山洋画100大賞展入賞、アメリカ大賞展(ブロンクス美術館)入賞など
2011年セーラムギャラリー(NY)、2014年ギャラリーサテリット(Paris)作品発表
日本デザイン学会会員、大学美術教育学会会員、日本美術教育連合会員、INSEA(国際美術教育連合)会員、モダンアート協会会員、ヨコハマSASユニバーサル研究室代表
障害について
2005年千葉大学名誉教授を主治医として手術を受ける。網膜の疾患から視力低下後視覚障がいが進み、現在第1種第1級の身体障がい
2006年以降も周囲の人々の協力を得てデザイナー、教育者及び造形作家の活動を継続
連絡先
Email: sachiko@sachiko-museum.jp
HP: http://www.ys-udl.com/